いつ起きるかわからない地震、局地的な大雨、台風などの災害への対策は、企業・法人においても必要とされています。
災害によっては、従業員または関係者の帰宅・移動が制限されることも予想されます。
国や地方公共団体でも、防災のための備蓄品の品目や数量について、企業特性に応じた備蓄方法を検討するよう企業へ準備を促しています。例えば、東京都は東京都帰宅困難者対策条例として、事業者に対して、従業員が施設内に留まれるように、3日分の飲料水や食料等を備蓄することを努力義務として規定しています。
今回のコラムでは、防災用品、防災備蓄品の中でも主に『食料品』『日用品』に注目します。
どのような種類の食料品や日用品を選ぶ必要があるのか、またどのように管理することが必要か、ポイントを整理いたします。
備蓄する必要性の高い食品・長期保存食・非常食
【1】長期保存水
【2】缶詰パン・ビスケット、クッキー、エネルギーバー
【3】アルファ化米
【4】ドライフード
【5】乳製品粉末、アレルギー対応製品
【1】長期保存水
長期保存水は、災害時や緊急事態に備えて確保され、長期間新鮮さを保つために特別に処理された水のことを指します。
以下は長期保存水についてわかりやすく説明したものです。
・長期保存水は、通常の水道水やボトルウォーターとは異なり、特別な処理や処理方法を経ています。これにより、細菌やウイルスなどの微生物の成長を防ぎ、水質を維持します。
・長期保存水は密封容器に入れられて販売されます。この密封容器は、外部の汚染や空気との接触を防ぎ、水の酸化を防ぎます。一般的な容器に比べて耐久性が高いことが特徴です。
・長期保存水は長期間保存できるように設計されています。一般的には数年から数十年にわたって品質を維持できます。これは、緊急事態や災害が発生した際に必要な水を確実に提供するための重要な特徴です。ブランドや製造業者に寄りますが、賞味期限は長いものでは10年程度と設定されている商品も存在します。
・長期保存水は、自然災害(地震、ハリケーン、洪水など)や非常事態(停電、水道管破裂など)に備えて備蓄されます。これにより、飲用水供給が途絶えた場合でも水を確保できます。
・長期保存水は飲用水として安全である必要があります。したがって、水源からの微生物の除去や添加物の使用が行われます。
【2】缶詰パン・ビスケット、クッキー、エネルギーバー
いずれも長期保存が可能であること、持ち運びが簡易であること、栄養価が高く、バランスの取れた食事が可能になることから、重宝されます。
ビスケットやクッキー、エネルギーバーは長期保存が可能なことが多いです。
また味や形状、カロリー量も豊富です。
災害に出くわした場所を選ばず利用が可能なことも、備蓄する食料品として非常に役立つといえます。
缶詰パンは場所を取りやすい食品であることがデメリットとして挙げられます。
しかし、調理の必要もなく、腹持ちがよい缶詰パンを用意することで、万が一、小さなお子様がいる状況を想定すると安心できるといえます。
【3】アルファ化米
アルファ化米は、災害時や非常事態に備えて設計された食品で、通常の米よりも長期保存が可能で、調理の手間を省くことができる製品です。
アルファ化米の特徴:
・長期保存が可能: アルファ化米は特別な処理を施されており、通常の白米よりも賞味期限が長いです。一般的には5年以上保存できることがあります。これは、災害時に必要な食料を確保するために重要です。
・簡単に調理できる: アルファ化米は事前に調理されて乾燥しており、熱湯をかけてしばらく待つだけで食べられることが多いです。調理にかかる時間やエネルギーを節約できるため、災害時の緊急食料として非常に便利です。
・栄養価が高い: アルファ化米は通常、栄養価を保つためにバランスの取れた食事として設計されています。ビタミン、ミネラル、たんぱく質などの栄養素が含まれていることがあり、災害時に必要な栄養を提供します。
【4】ドライフード
ドライフードは多くの種類が利用可能で、好みや栄養ニーズに合わせて選択できます。乾燥フルーツ、乾燥野菜、乾燥スープ、パスタ、ライスなど、さまざまな種類があります。
災害時には、食品供給が不確かである可能性が高いため、ドライフードは緊急食糧として非常に有用です。
【5】乳製品粉末、アレルギー対応製品
災害時には食糧供給が不確かな状況になることがあるため、小さなお子様がいる場合や、アレルギーをお持ちの関係者を守る備蓄品があることが重要な場面に遭遇する可能性もあります。そのため乳製品粉末やアレルギー対応食品は備蓄品として重要です。
食品・長期保存食・非常食の管理方法とポイント
【1】必要な量を把握する
【2】優先順位を決める
【3】管理計画を立てる
【4】適切な保管環境を確保する
【1】必要な量を把握する
一般的には、最低でも72時間分(3日分)から始めることが推奨されていますが、より長い期間を備えることが望ましい場合もあります。また従業員や関係者が帰宅可能になった場合の配布物や、3日以上の長期にわたった社屋への滞在を余儀なくされる社員への配布は余分に必要となります。
水分は1日で3リットル必要とされているため、3日分だと9リットル。
1日3食の配布を行う場合、上に挙げたような食料品を3食・3日分の9食分が必要となります。
【2】優先順位を決める
食料品のほかに、非常用トイレやヘルメット、医薬品といった、必ず利用する・準備する必要のある備品もあります。
保管場所に限りがある場合、食料品に偏らない計画が必要となります。
【3】管理計画を立てる
企業・団体によってはフロアやビルが分かれていることもあります。
そこで少しでも管理しやすいよう事前の準備が必要です。
・備蓄品リストの作成: まず、備蓄品のリストを作成します。これには、備蓄している食料品、飲料水、医薬品、非常用具などのアイテムを詳細に記録します。このリストは備蓄品の在庫を把握し、必要な更新や補充を容易にします。
・賞味期限の管理: 備蓄品の賞味期限を定期的に点検し、期限切れのアイテムを交換します。新しいアイテムを備蓄に追加する際に、古いアイテムを前に出して使用する原則(FIFO:First In, First Out)を実践します。
・備蓄品の定期的な点検: 定期的な備蓄品点検を行います。これには、賞味期限のチェックやアイテムの品質を確認する作業が含まれます。点検スケジュールを設定し、従業員による点検を行うこともあります。
・備蓄品の補充: 備蓄品が使われたり、期限切れになったりした場合、速やかに補充します。これには、新しい食料品や飲料水を購入し、古いものと交換する作業が含まれます。
これらの作業には多少なりとも人員が必要となります。
災害が発生するタイミングは予想できないことから、欠かせない作業となることが多いため企業の負担となることがあります。
管理や維持は専門業者のサービスを利用することもおすすめです。
【4】適切な保管環境を確保する
備蓄品は適切な場所に保管される必要があります。食品や飲料水は高温や湿度から保護され、直射日光や湿気の影響を受けない場所に保管します。また、非常用具は簡単にアクセスできる場所に配置することがおすすめです。
まとめ
以上、防災用品、防災備蓄品の中でも主に『食料品』『日用品』について、
また、どのような種類の食料品や日用品を選ぶ必要があるのか、またどのように管理することが必要かをまとめました。
ポイントを抑えておくことで、用意することは難しいことではありません。
まずは従業員・関係者の皆様が安心して過ごせるよう、自社に必要な物品を考えてみることから初めて見るのはいかがでしょうか。
何を用意したらいいのか結局分からない、いざ用意してみても社内に置き場がない、管理する人手が不足しているなど、などお困りごとがございましたらLaspyのあんしんストックにお問い合わせください。