建設業界は、災害に対する備えにおいて独特の課題を抱えています。
オフィスのような避難しやすさがある現場ばかりではなく、建設現場や関連施設は災害中もその後も脆弱な状態が続くことが予想されます。
そして、被災地の方々から建設業界には、行政と連携した迅速な対応が求められていると考えられます。
例えば緊急輸送路の確保は、消防・医療にも影響があると言えます。
日本全国どこでも震度6強の地震や広域水害は起きうるといわれている中で、その地域に根付く建設業界の皆様には多くの期待がかかっていると言えるでしょう。このような環境で自社・組織の安全と継続性の確保の重要性が高まることは必然と言えるでしょう。
今回のコラムでは建設業界における効果的な防災対策を支えるために重要なポイントをまとめてまいります。/
1.包括的なリスク評価
まず自社・従業員が働いている地域で起こり得る被害を正しく想定・認識することです。
リスクを評価、想定するために政府や各都道府県のホームページなどで発表されている
震度分布図(例えば、首都直下地震、東海地震、東南海・南海地震など)やハザードマップを確認することをお勧めいたします。(内閣府防災情報のページ http://www.bousai.go.jp)
また各地域における建設企業にとってBCP(事業継続計画)の策定は必須と考えてよいでしょう。
中小企業においてまだまだ策定・その更新が困難と思われがちではありますが、被災地にとって官民が協力して迅速な対応が可能な状態にあることが何よりの安心といえます。
自社のためそして地域のためにもBCPの策定を行っておくことをお勧めいたします。

参考)
災害時のBCP(事業継続計画)を考える!BCPの重要性や策定の基本フロー、災害別対策例を紹介
https://laspy.net/column/column16/
2.災害時の組織体制と指揮命令系統の設定
緊急時に誰が不在であっても、組織が動くようにする準備や工夫が必要となります。
どの組織にも都合や課題があるため同じルールや完全な体制の構築は難しいことも考えられますが、社員安全確認のための体制・担当や取引先・関連自治体などとの連絡を欠かさない担当など多岐にわたる業務を遂行できるよう事前の人事計画、設定後の社員への通知が必要です。
また可能な限り堅牢なコミュニケーション計画の設定も心掛けることをお勧めいたします。
担当者、従業員とその家族の緊急連絡先、複数の連絡手段(電話、メール、SMSなど)を含む明確な連絡手順を確立しましょう。
様々な災害シナリオを想定した定期的な訓練を実施し、高圧下での円滑なコミュニケーションを確保します。
従業員の安全状況を追跡し、緊急対応を調整するための集中管理システムの導入も検討しましょう。
3.資源管理
ツールや事業のために必要な機器、そして従業員のための備蓄品と多岐にわたる準備が必要となります。
自社のみならず協力会社、流通会社と協力し必要な資材・ツールを備蓄できる可能性もあります。
また多くの機材が電化製品化していることから、電力の確保つまり発電機などの準備も状況に応じて行いまししょう。
自治体によっては、流通在庫備蓄(民間企業等との協定)という方式により備蓄の確保を行うこともあります。
自社、自社の位置する自治体との関係についても事前に確認しておくことをお勧めいたします。
例)仙台市の取り組み
4. 従業員の研修と備え
従業員は最も貴重な財産です。緊急対応手順、応急処置、避難計画など、防災対策の様々な側面を網羅した定期的な研修プログラムに投資しましょう。備えを強化するためには、定期的な訓練が不可欠です。従業員が、家族との連絡や避難戦略を含む個人の防災計画を作成することを奨励しましょう。

5.災害後の復旧計画
災害は、緊急対応ですべてが終わるわけではありません。被害状況の評価、保険請求、現場の復旧、プロジェクトの再開などに対応するための詳細な災害後の復旧計画を策定しましょう。復旧手順には、可能な限り効率的に運用能力を取り戻すための明確な手順を記述する必要があります。過去の経験から得られた教訓を取り入れ、将来の計画に調整を加えることも重要です。
6. アウトソースの活用
ここまで記載した通り多岐にわたる準備の必要性が問われる建築業界においてすべてを独自の体制・ルール・設備の確保などで適切な準備ができること自体が困難であるともいえます。
こういう時こそ、弊社が取り扱うような備蓄品(食料、水、救急箱、非常用照明など)のアウトソースなども有効に利用いただくことで自社で重点的に準備を行うべきことに集中できるともいえます。
アウトソースすることのメリットは大きく4つです。
面倒な作業からの解放
自社で管理する場合には、在庫確認や不足分の調達・入れ替え・不用品の廃棄など、通常業務に加えた作業が加わり、地味に時間を取られてしまいます。そのため、企業では、保管サービスを利用する割合が増えており、管理担当者が行っている面倒な作業を委託することができます
適切な備品の選定が可能
防災備蓄品の保管サービスは、専門的な知識を持ったスタッフによって、運営されていることが多く、備品の適切な選定や管理が可能です。また、サービスによっては、賞味期限が近くなった備蓄品を、フードバンクに寄付してもらえるため、食品ロスを減らすこともできます
緊急時の迅速な対応
防災備蓄品の保管サービスでは、賞味期限や劣化状況をチェックし、必要に応じて補充や交換をしてくれるため、常に適切な状態で確保されています。そのため、災害発生時には、迅速に備蓄品を提供してもらえるので、担当者が管理するよりも安心感があります
管理スペースの確保
備蓄品は、従業員数に応じて、管理スペースが圧迫されるため、定期的にチェックする必要があります。その結果、管理スペースには、賞味期限切れなど不要なものがなくなり、ゆとりを持つことができるので、空間を有効活用できます。
企業が防災対策を行うことで、災害が発生した場合でも迅速かつ適切な対応ができるようになり、被害の最小限化や事業継続の確保が可能となります。さらに、地域や自治体との連携することで、経済活動や社会全体の安定にも貢献でき、企業イメージの向上につながります。
災害が多発する現代において、企業防災の取り組みは不可欠です。ぜひ自社の防災対策を見直し、自社にとって最善の企業防災対策に取り組みましょう。
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